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クリニックの感染症情報

まだまだ暑いですが、熱中症患者さんが減ってきた印象があります。良くも悪くも、人って慣れますね。

ここ1週間の感染症状況です。

当院では溶連菌感染症、マイコプラズマ気管支炎、急性胃腸炎、ヘルパンギーナの患者さんが増えている印象です。

マイコプラズマは小学生の方が多いですね。高熱と咳がひどく、肺のエコーをすると気管支炎所見や少し水がたまる(胸水)の所見があるので割と見分けやすいです。確定診断は痰の検査で、迅速検査とPCRがあります。PCRは結果に数日かかりますが、抗生剤が聞きやすい株(野生株)と抗生剤耐性の株が見分けられるので、その後の治療に有効です。

また、週に数人ですが、新型コロナウイルス感染症もちらほら出ています。小児はほぼ重症化しませんし、状態も軽症のことが多いですが、食欲が落ちたり、まれに熱性けいれんの原因にもなります。腹部エコーを行うと、腸蠕動が低下して、小腸がペちょっとつぶれたような所見があるので、胃腸炎と見分けやすいです。

りんご病(伝染性紅斑)も時々いらっしゃいますが、6月~7月に比較し数は減少傾向です。広島では2019年以降、まさに6年ぶりの流行でした。暑い時期に発疹がほっぺと手足にであるので、かゆみとかチリチリしたかゆみがあって、そちらのケアが大事ですね。2019年からの新型コロナ感染症の流行と自粛対策により、多くの患者さんが数年間感染機会を失ってしまったのが原因と推測されています。小児は軽症のことが多いですが、年長児の方や成人は発熱したり、発疹がひどくなったり、肝機能が悪化したりと、乳幼児に比較して症状が重症になる傾向がありました。

あとは時々気管支喘息発作や下痢が続く方がいらっしゃいます。いわゆるアレルギー症状がひどくなるのは秋ですが、夏の間もダニアレルギーの方は増悪しやすいので治療は主治医の指示に従って、油断しないようにしてください。

下痢の症状の方は、超音波検査で腹部をみると、軟便が溜まってゴロゴロしている、いわゆる「感冒性腸炎」の状態の方と、水便(水様便)が小腸にたまっている方が多いです。嘔吐もあまりありません。冬のノロウイルスほどひどくはないですが、しつこく下痢をする印象があります。東洋医学的にも「水滞」で虚証ですので、刺激物と乳製品を避け、温かいものを摂取する、お風呂などで温まることが大事です。

暑さに負けず、どうぞ皆さんが元気でお過ごしになれますように。