検査結果だけで『アレルギー』とは限りません ― 正しい診断のために大切なこと
最近、当院の外来において「血液検査で陽性が出たから、この食べ物は食べられませんか?」という切実なご相談をいただく機会が増えています。
中には、特に症状がないにもかかわらず「念のため」と行われたアレルギーの検査結果だけを見て、食事制限を指示され、困って来院される親御さんもいらっしゃいます。
アレルギー専門医として、患者さんの皆さんや保護者様に知っておいていただきたい大切なことがあります。
それは、「血液検査の数値(IgE抗体)が高い=その食べ物のアレルギーである」とは限らないということです。
1. 「感作」と「発症」は違う
血液検査で陽性反応が出ることを「感作(かんさ)」と言います。しかし、数値が陽性であっても、実際には何の問題もなく食べられるケースは非常に多いのです。特に乳幼児期は、皮膚の状態などによって一時的に数値が出やすい傾向があります。
2. 診断の決め手は「症状」
アレルギー診断の基本は、検査数値ではなく「実際に食べた時に症状が出るかどうか」です。 症状がないのに数値だけで除去を続けてしまうと、栄養面での不利益だけでなく、将来的に耐性獲得(食べられるようになること)を遅らせてしまうリスクもあります。
3. 専門医による適切なステップを
アレルギー診療のゴールは、むやみに「食べないこと」ではなく、安全に「食べられる範囲を広げること」です。 当院では、ガイドラインに基づき、詳細な問診と必要に応じた食物経口負荷試験などを通じて、根拠のある診断と指導を行っています。
もし、検査結果だけを提示され、今後の見通しや具体的な進め方について十分な説明がなく不安を感じていらっしゃる場合は、一度ご相談ください。
受診をご希望の方へ
現在、多くのアレルギー相談をいただいており、お一人おひとりに丁寧なカウンセリングを行うため、診療時間の調整が必要な場合がございます。
他院での検査結果に基づいたご相談や、セカンドオピニオンをご希望の際は、事前に必ずお電話にてご連絡をいただけますようお願い申し上げます。
患者さんとご家族の不安に寄り添い、健やかな成長をサポートできるよう努めてまいります。




