生物製剤による新しいアトピー性皮膚炎の治療法
先週寒かったと思ったら、今週は急に暑くなりましたね。寒暖差激しい日々ですが、ご体調管理に気をつけてください。
今回は、アトピー性皮膚炎にお悩みの親御さんへお知らせです。
お子様のつらいかゆみ、赤み、なかなか良くならない皮膚炎に、生物製剤という新しい選択肢があるのをご存知ですか?
✅ 生物製剤って? 特定の炎症物質をピンポイントで抑える、新しいタイプのお薬です。分子標的薬とも呼ばれ、アレルギー疾患のみでなく高がん治療や自己免疫疾患にも治療が導入されています。この治療が近年、小児でも承認され、より先進的で効果の高い治療が可能になりました。
✅ どんなお子さんに向いているの? これまでのお薬で効果が不十分だった、重症のアレルギー性皮膚炎のお子さんが適応となります。治療導入基準は治療継続にもかかわらず改善に乏しい期間が6ヶ月以上であること、ある一定以上のかゆみが継続していること、皮膚の炎症の重症度を総合的に診断し、基準を満たす方が適応になります。
✅ 期待できることは? つらいかゆみを抑えるため、皮膚の状態が改善し、睡眠や生活の質も向上することがわかっています。
もちろん、かゆみを改善している間も皮膚の治療は継続する必要がありますが、皮膚を掻く機会が減るため、患者さん本人の辛さが改善することが大きなメリットです。ただし、使用開始後から16週間してもかゆみの改善がないときは、一度使用を中止することも検討する必要があります。
✅投与方法は皮下注射です。年齢にも寄りますが、13歳以下の方は基本的に月1回通院していただき、注射を行います。
製剤の種類により、6ヶ月、6歳、12歳以上と製剤により適応開始年齢や投与方法が異なりますので、詳しくは主治医にお尋ね下さい。
お子さんが毎日皮膚を掻いている、薬を塗ってもなかなか改善しない、してもすぐ掻いてしまって増悪するなどでお悩みの方、まずはご相談下さい。